山間部の日影予測(耕作地及び民家への影響)

谷筋の方向や尾根の位置により日影の発生状況は異なります

予測範囲及び計画道路を示した予測位置図

図1 予測位置

1.谷筋の耕作地に及ぼす影響
(1)予測位置
 予測位置は図1に示すとおりです。
 尾根に囲まれた谷筋について、谷の南側に計画されている道路による日影の影響を3次元シミュレーションにより予測しました。
(2)予測条件

 ・予測対象時期:冬至
 ・予測高さ:地上0.0m
 ・予測時間帯:7:30~16:30(計9時間)
(3)現況及び将来の予測結果

 現況の等時間日影図は図2(1)、将来(道路整備後)の等時間日影図は図2(2)に示すとおりです。
 現況は北側の谷奥に行くに従って日影時間が長くなる傾向となっています。
 将来は現況に比べて谷の南側において日影時間が最大1.5時間程増加します。

現況の等時間日影予測結果

図2(1) 現況の等時間日影図(道路整備前)

将来の等時間日影予測結果

図2(2) 将来の等時間日影図(道路整備後)

(4)新たに増加する日影時間
 道路を整備することにより新たに増加する日影時間は図3に示すとおりです。
 将来は現況に比べて谷の南側において日影時間が0~1.5時間程増加します。
 北側の谷奥では日影時間の増加はありません。

将来の日影発生時間から現況の日影発生時間を除いた時間

図3 新たに増加する日影時間(将来-現況)

耕作地と民家では予測条件が異なるため注意が必要です

日影チャートを用いた民家に対する日影時間の算出結果

図4 日影チャートを用いた日影時間の算出

2.谷筋の民家に及ぼす影響
(1)予測位置
 予測位置は図4に示すとおりです。
 予測対象民家の南向きの1階の居室について、日影チャート(日差し曲線)を用いて将来の日影時間の計算を行いました。
(2)予測内容

 ・予測対象時期:冬至
 ・予測高さ:地上1.5m(1階高さ)
 ・予測時間帯:8:00~16:00(計8時間)
(3)予測結果

 日影チャートを用いた日影時間の算出結果は図4に示すとおりです。
 検討時間8時間のうち、山影により日影の生じる時間が1時間10分、道路により日影の生じる時間が25分であるため、将来の日影時間は1時間35分、日向時間は6時間25分となります。
(4)対象民家が費用負担の対象となるかの判定

 現況の日影時間等から補正後の受忍時間を算出したところ、「新たに生じる日影時間<補正後の受忍時間」となるため費用負担の対象とはなりません。