ASJ RTN-Model 2023の主な変更内容

 1. 2023年モデルにおける主な変更内容 
 ASJ RTN-Model 2023(以下、「2023モデル」という)における主な変更内容は表-1のとおりです。

表-1 2023モデルにおける主な変更内容表-1 2023モデルにおける主な変更内容

 2. 自動車走行騒音及び高架構造物音の騒音パワーレベルの見直し 
 2023モデルのパワーレベルはASJ RTN-Model 2018(以下、「2018モデル」という)に比べ表-2のとおり変更されています。

表-2 2023モデルにおけるパワーレベルの増減傾向

表-2 2023モデルにおけるパワーレベルの増減傾向

 3.高架構造物音の伝搬計算方法の更新 
 高架構造物音においては2023モデルでは地面反射音を考慮するように計算式が変更されています。この変更に伴い計算式が表-3のとおり半自由空間の予測モデルから自由空間の予測モデルに変更されています。

表-3 高架構造物音の2018モデルと2023モデルにおける伝搬計算方法の変更内容表-3 高架構造物音の2018モデルと2023モデルにおける伝搬計算方法の変更内容

 4. 自動車走行騒音の地面反射音、側壁等反射音の適用範囲の拡大 
 予測において反射音を適用すべき場合の条件等の文言が2018モデルと2023モデルでは変更されています。反射音の種類毎にとりまとめた文言の変更内容は表-4のとおりです。

表-4 反射音の適用条件に関する2018モデルと2023モデルの文言の変更内容表-4 反射音の適用条件に関する2018モデルと2023モデルの文言の変更内容

 反射音の適用条件に関する文言の変更内容を踏まえて、反射音を考慮すべき場合について反射音の種類毎に道路構造別に分けて表-5のとおり対応表を作成しました。(こうした自動車走行騒音の反射音の取り扱いについては今後[ASJ RTN-Model 2028以降]の改定で整理が進められると思われます。)

表-5 2018モデルと2023モデルにおける反射音を考慮すべき場合についての対応表表-5 2018モデルと2023モデルにおける反射音を考慮すべき場合についての対応表

 5. 自動車走行騒音の反射音を適用する場合の注意事項 
 平面道路において音源の両側に遮音壁を設置した場合は、(反射面が平坦で十分大きい場合には)直接音に加え地面反射音と側壁反射音が発生します。音の伝搬経路としては図-1に示す4経路が考えられます。
特に反射音のうち側壁反射音(③)については、遮音壁高さ付近に予測点がくる場合は直接音より回折減衰が小さくなるため、直接音より騒音が高くなることがあるため注意が必要です。
 任意の条件における騒音の予測結果は、図-1に示す伝搬経路のうち直接音①のみが生じた場合は図-2(1)、①に加え②が生じた場合は図-2(2)、①に加え②、③及び④が生じた場合は図-2(3)に示すとおりです。

図1 平面道路における直接音及び反射音の伝搬経路

図2(1) 直接音のみの騒音予測結果

図2(1) 直接音のみの騒音予測結果

図2(2) 直接音に加え地面反射音が生じた場合の騒音予測結果

図2(2) 直接音に加え地面反射音が生じた場合の騒音予測結果

図-2(3) 側壁、地面等全ての反射が生じた場合の騒音予測結果【①+②+③+④】

図-2(3) 側壁、地面等全ての反射が生じた場合の騒音予測結果【①+②+③+④】

参考文献一覧
1)日本音響学会道路交通騒音調査研究委員会,“道路交通騒音の予測モデル“ASJ RTN-Model 2018”,”音響学会誌,75,188-250 (2019)
2)日本音響学会道路交通騒音調査研究委員会,“道路交通騒音の予測モデル“ASJ RTN-Model 2023”,”音響学会誌,80,170-234 (2024)