1.パワーレベル計算式の見直し
ASJ RTN-Model 2018(以下、「2018モデル」という)のパワーレベル計算式はASJ RTN-Model 2013(以下、「2013モデル」という)に比べ下表のとおり変更されています。
2018モデルのパワーレベル計算式の変更内容
2.排水性舗装の騒音低減効果の持続性の向上
小型車の排水性舗装の騒音低減効果の漸減※量は右上の図、大型車の排水性舗装の騒音低減効果の漸減量は右下の図に示すとおりです。 小型車、大型車ともに2018モデルは2013モデルに比べ騒音低減効果の漸減量が大きく減少しています。 |
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すなわち、最新の調査研究結果では、自動車専用道路の定常走行区間における排水性舗装の低減効果は長期間持続するということを示しています。 ※漸減:しだいに減ること |
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3.回折による騒音低減効果の見直し
(1)回折計算をナイフウェッジと直角ウェッジの2パターンに区分
2018モデルは回折計算式に関して、遮音壁等のナイフウェッジ(薄い板状の障害物)に用いる場合と盛土・切土の法肩等の直角ウェッジ(開き角90°程度の障害物)に用いる場合の2パターンに区別されました。
・直角ウェッジの回折減衰(dB) = ナイフウェッジの回折減衰(dB) + 2.5dB
したがって回折計算の基本式に関して、2013モデルと2018モデルを比較すると以下のとおりとなります。
・ナイフウェッジの場合 2018モデルの回折減衰(dB) ≒ 2013モデルの回折減衰(dB)(ほぼ変更無し) ・直角ウェッジの場合 2018モデルの回折減衰(dB) ≒ 2013モデルの回折減衰(dB) + 2.5dB(2013モデルに比べ約2.5dBの増加) |
(2)密粒舗装の補正係数(Cspec)の変更
密粒舗装における回折経路差と回折補正量の関係は右図に示すとおりです。 2018モデルの密粒舗装の補正係数(Cspec)は2013モデルの0.85から1.00に変更されたため、2018モデルでは回折補正量がやや大きくなっています。 |
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例えば、回折経路差δが1.0mのときは0.8dB回折補正量が大きくなっています。 なお、排水性舗装の補正係数(Cspec)は2018モデルと2013モデルに違いはありません。 |
4.代表的な条件における道路構造別の予測結果
密粒舗装の大型車混入率10%の場合における平面、盛土及び高架の2018モデルと2013モデルの予測結果の比較は下表のとおりです。平面道路ではわずかに減少、盛土道路の回折が生じる区間ではやや増加、高架道路の回折が生じる区間ではやや減少となります。
道路構造別の2018モデルと2013モデルの予測結果の比較
[密粒舗装、大型車混入率10%]