1.予測モデル
トンネル坑口部における自動車の走行に係る騒音の予測手順は以下のとおりです。
本予測モデルは、トンネル内を伝搬する騒音(坑口音)を反射せずに放射される直接音とそれ以外の反射音・拡散音に分けてモデル化し、それらの音の合成により坑口音を近似する手法です。
直接音は、下図のとおりトンネル内の仮想点音源から坑口を通して放射され、直接音以外の反射音・拡散音は坑口に想定した仮想面音源から放射されると仮定しています。
仮想点音源の設定位置はトンネル内の吸音に関するパラメーターと坑口から自動車(実音源)までの実距離によって決まります。
2.予測式等
予測式は、(社)日本音響学会提案の道路交通騒音の予測モデル“ASJ RTN-Model 2018”を用います。 | |
トンネル内を伝搬する騒音(坑口音)は、トンネル内壁と路面で反射を繰り返しながら集約して坑口から放射されます。特に明り部の道路が盛土や高架構造のように路肩等で回折効果を受けやすい構造の場合、明り部からの騒音よりトンネル坑口からの騒音の影響が大きくなる傾向があります。 | |
原理的に制限はありませんが、検証されているのは道路から水平距離200mまで、高さ12mまでです。 |
3.予測結果
(1)指向性に伴う減衰に関する補正量
ASJ RTN-Model 2018から追加されたトンネル坑口仮想面音源の指向性に伴う減衰に関する補正量の例は以下のとおりです。
(2)全体騒音
トンネル坑口からの騒音に明かり部からの騒音を加えた対象道路全体から発生する自動車の走行に係る騒音の予測結果は以下のとおりです。